それでもやっぱり田舎が好き。

都会で生活してるけど、やっぱり山がみたい川が見たい。喧噪を忘れ、「落ち着き」を求めて。時には旅を。時には本を。

🌏#72 山形県蔵王前編 〜燦然と輝く蔵王温泉の夜~

今回の旅先は
山形県蔵王

山形県山形市にある蔵王温泉は日本全国にその名を馳せる有名温泉地。
蔵王温泉は硫黄泉で、THE温泉といった匂いを楽しむことができる。


今回は、蔵王温泉で温泉と食事を満喫してきた。
2021/07/16 パーティ:1人


今回の旅の目的

蔵王温泉のホテルに泊まる
宮城の蔵王御釜を後にし、その続き。
ソロ旅では未だかつてないほどのコストをかけた温泉ホテルを予約した。

そこでは温泉はもちろんのこと、ゲレンデに立地していることから、山の景色と星空がすごいらしい。
星空を撮りたいがためにGoogle Pixelにしたが、やっと活かせる時が来るようだ。

※今回、ホテル宿泊以降の記憶があまりにも幸せすぎて、あったこと、感じたことを事細かに書き記しています。
全て、あとで見返した時の自分のために書いています。長いので、もし見てくださる人がいれば写真だけ眺めてやってください。

食事処 とみたや

御釜で調べたジンギスカンのお店に行くと、休業日だった。
仕方ない。ジンギスカンは明日リベンジしよう。

蔵王温泉の名物グルメを食べたいと思って事前に下調べをしていたのだが、「肉そば」というものが気になっていたのでそれが食べられるこの「とみたや」にやってきた。

外観を撮り忘れてしまったのが悔やまれる。

店内は、古き良き昭和感漂う雰囲気。

壁にはたくさんの定食メニューが貼られている。
ジンギスカンはこのお店でも食べられるが、僕はどうしても、行こうとしていたお店のジンギスカンが食べたかった。
予定通り肉そばを注文。

📷肉そば(冷) 冷たいもりそばに、鶏肉が結構な量入っている。
さっそくいただきます!

ズルズル…。

ほうほう。
これは、鶏肉に味がよく染み込んでいる。
白飯の上にこの味を染み込ませた鶏肉を盛り合わせても美味いんじゃないか?

スープ…というより汁は、さっぱりはしているが、思ったよりかなり甘い。
ただのもりそばに鶏肉が乗っているものかと思っていたが、そうではなく全然味が想像と違った。

この甘い汁と、そばを一緒に食べるというのが今まで経験がなく、「初めて食べる味」という印象だった。

鴫の谷地沼

「しぎのやちぬま」と読むそうだ。
ホテルのチェックインは15:00〜だったので、1時間以上時間が空いたので来てみた。

蔵王温泉という有名な王道スポットにきてもなお、マイナースポットは逃さないスタイル。


湖畔には遊歩道が整備されていたので、散策がてら、気持ちのよさげなベンチを探すことに。

と、いうのも、実は今回の蔵王旅は深夜1時に出発し、約7時間半運転してきているのだ。
それに加え、御釜で登山もしてきた。
さすがに疲れた。
よく起きていられるなと思う。

気持ちの良さげなベンチで沼を眺めながら仮眠したい。

ベンチを求めて遊歩道散策開始!
📷遊歩道 おもったより草ぼうぼう。
まあ、夏だしな。

10分くらい歩いたけど、ないじゃないか。
ベンチ。

てか、このありさまじゃ、ベンチがあったとしても苔とか虫とかで座る気起きないだろうな。

引き返そう。
そう思った矢先、小川の向こうになにかが動いている。

まさか、熊じゃないよな?

恐る恐るよくみてみると…。
なんだあれは。

正確にはなんだかわからなかったが、ウリボーのように思えた。
小川の水に浸りながら、何かを食べているようだ。

怖いけど、なんかかわええ。

でもまてよ?

仮にウリボーだとしたら、とうちゃんかかあちゃん近くにいるんじゃねえか。
とっしんされたらたまったもんじゃない。

と、いうわけで、遊歩道は急ぎ足で引きえすことに。

ちなみに遊歩道からは、木越しに沼が眺められる。
📷木越しの沼ビュー 結構大きい湖だ。

遊歩道から抜け出して、開けた場所にやってきた。
📷鴫の谷地沼 奥の山は宮城の蔵王の方角らしい。
針葉樹が美しい、異国チックな沼だ。

だが、なぜだか眠くはないものの、疲れた。

すてきな景色だが、あとにしてとりあえず蔵王温泉街で今夜飲む日本酒でも買うことにした。

蔵王温泉

疲れたけど、眠れもしないので、蔵王温泉街を歩くことに。

古き良き温泉街らしい雰囲気の町には、温泉が流れていた。

📷町を流れる温泉 なんで川底が緑色になるのかは解きあかせなかった。

📷共同浴場を流れる温泉 共同浴場というのも何軒かあって、その共同浴場の裏手。 これが蔵王温泉の温泉の色。
白いのは湯の花である。

群馬の万座温泉と同じ感じだ。
匂いも一緒な気がする。

📷山形の地酒 伊東与三郎商店 日本酒が手に入りそうないい感じのお店を発見。

中はモダンな雰囲気だった。
山形の地酒がたくさん置いてある。
ん〜。
「出羽桜」というのが気になったが、少々値段が張る。
「雪むかえ」というのも気になったので、こっちにしよう。
夜、お店で出羽桜はちょこっと飲むことにしよう。


なんだかんだ、チェックインの15時が近づいてきたので宿に向かおう。
なにせ、めちゃくそ暑い。
あれ?蔵王って避暑地じゃなかったん?
温泉街は山を降りてるので、あっついようだ。


タカミヤヴィレッジホテル樹林(昼)

いきなり夜になってるが、山形は15時に日が落ちるわけではない。
車を停めるなりホテルマンがお迎えにきてしまったので、昼の外観を撮り損ねた。
ここが今夜の宿。

ソロでまさか、ホテルマンがお迎えにきてくれる宿に泊まるようになるとは。
いやー楽しみだな。

📷泊まる部屋 格別広いという印象ではないが、一人で泊まるにはちょうどいいサイズ。
この正面の窓からの景色と、そこから入ってくる自然の囁きと風。
これが本当に心地よくて、エアコンは使わず、この自然の風で一夜を過ごすことにした。

とりあえず、ベッドで1時間寝よう。
シャワーを浴びて、仮眠を取ることに。
うはー。
風が気持ちよすぎる。

ちなみに、僕はどんなに疲れていても、その後にやるべきことが控えているならば、目覚ましを止めて寝過ごすことはない。
唯一とも言える特技であり、長所である。


16時に目覚めると、早速温泉へ。
泊まっているのは山形で展開する高見屋グループのホテルの一つ。
なんと、このホテルの宿泊者は蔵王温泉にある高見屋グループの温泉に無料で入れるのだ。
いけるホテルは4つ。

最初は全部行ってやろうと思っていたが、行くためには、フロントに連絡をいれてくれとのことだったので、4つも行こうとしたら温泉狂だと思われそうなのでやめることに。
一番行きたかったところをお願いすると、今日営業しているのは1つしかないとのこと。

なんだって…。

ショックだった。
聞けば、平日ということもあり、さらにコロナで宿泊者が減り、今日は3つの宿は営業していないとのこと。

そういうことね。

と、いうわけで、瑠璃倶楽リゾートというホテルの温泉にきた。
そこまでは、宿のバスで送迎してくれた。

え、そんな送迎してくれる宿初めて。
まるで王様にでもなった気分じゃないか。

瑠璃倶楽リゾートは、内湯しかないのだが、温泉は確か蔵王温泉らしい白い湯の花が目立ってなかったような記憶がある。
でも、たしかに匂いは蔵王温泉の温泉の匂いで。
温泉は奥が深いのだな。

ひとまず、ここまでの疲れや汚れが落ちきったような気がした。

元の宿に帰る時もバスで迎えにきてくれた。
そのバスは、誰かを待つわけでもなく、僕一人を乗せるために動いている。
バスが、運転手さんが、僕を中心に回っているのだ。

なんだろ。この優雅な気分は。
たまにはいいよな?
こういう気分に浸っても。

帰りのバスで還暦に近そうな運転手さんに、今夜の飯について聞かれた。
僕は、「桃園」という焼肉屋に行こうと思っていると答えた。
焼肉屋で、山形牛や米沢牛を、うまい日本酒と一緒に堪能する心算だった。

「あそこは、たしかつぶれたんじゃなかったかな。」
「えっ!?」
そんな…。
「それが前、桃園があったところ」
バスの窓からそれを見ると、建物を根こそぎ引っこ抜かれたような跡地だけが残されていた。

「あ、そうですか…。」

山形牛と米沢牛、さよなら。
君たちのことは、絶対に忘れない。

と、いうことで、宿についてからグーグルマップで再び探すと、気になるお店を発見。
昼はカフェ、夜はBARとなるオシャレそうなお店なのだ。
電話してみると、今日はやっているとのことだ。

せっかくだし、歩いて行こう。15分くらいかかるけど。
お酒も飲みたいし。
準備をしてフロントを通ると、バスの運転手さんが尋ねてきた。

「決まりましたか?」
「はい、音茶屋というところに行ってみます。」
「じゃあ、行きましょう。」
「え、また送ってくれるんですか?」
「もちろんです。」
なんていい人なんだ。

「じゃ、じゃあ、6時発でお願いできますか?」

まだお腹空いてなかったので、30分待ってもらった。

その30分で、ホテルの庭で時間を過ごすことに。

📷ホテルの庭 今風のアウトドアリラックス空間となっているではないか!

こういうのを求めていたんだ!

📷ハンモック 横になってみる。
うへ。
西日が眩しい!

これさ、これで夜星空見たら最高じゃないか?

そして、庭の奥には…。
📷蔵王天然水足水 硬度120%の硬水ってどんな感じなんだろ。

📷いざ足水へ 冷ったいけど気持ちよさすぎる!

夏は足湯じゃなくて足水だわ。

そして、硬水ってこういう感じなのね。
言葉じゃ表せないけどなんとなく感覚でわかった。

📷庭からの景色 この景色が、宿を探してた時にみた写真のやつか。
最高だな〜
この山に囲まれていて、自分も高地にいる感じ。

今夜はそのテントの下で1組がバーベキューをするそうだ。
最高のロケーションじゃないか。

邪魔しちゃいけないから、BBQが終わった頃に、星を見にまたここにこよう。


ずっとつけていると冷たすぎて限界を迎えたので、乾かすことに。
登山の足の疲れがふっとんだような気がした。

そろそろ約束の6時なので、お店へ向かうことに。


僕のためだけに走るバスにのってお店へ連れて行ってもらう。
最高だ。
再び運転手さんに、山形の美味しい地酒について聞いてみた。

「やっぱり出羽桜は美味しいですよ。」
「やっぱりですか。」

酒屋で気になっていた「出羽桜」、ここで話にでてくるか。

やっぱ飲みてぇ。

でもこれから行くお店は基本カフェだしないだろうな。
帰りに買っていくか。


車で5分ほどでお店へ到着した。

音茶屋

昼間はカフェで夜はバル。
山形牛をつかった料理が人気だそう。
店主が子供の頃に蔵王温泉を訪れて以来、この地が大好きになり、引っ越してこのお店を作ったそう。

僕は誰もいない窓際の席に腰をかける。

座ってみて気づいたが、西日が暑い。でも我慢だ。
もうすぐ日が沈む。

にしても、内装もおしゃれだな〜
こういうとこ、たまらなくたまらん。


メニューを開く。

すると、あるじゃないか!出羽桜!
これは頼まないわけにはいかんな

つまみは何にしよう。
ポテトフライとかもあるけど、日本酒にポテトフライってなんかイメージ湧かんな。

他に気になるのが一つ。
「つらみ」というのがあった

なんだつらみって。名物って書いてある。
てかさー、マジ辛みなんだけどのつらみではないだろうし。

せっかく山形まで来たのだ。
ポテフラならどこでも食える!
店主に聞いてみて、良さげならこのつらみにしよう。

「すみませーん。」
「はい。」
「出羽桜(でばざくら)1つと、このつらみってなんですか?」
「つらみって、山形牛の頬を熟成させたハムですよ。」
「…じゃあそれ一つお願いします。」

「ここ、暑くないですか?」
「あ、大丈夫です。(あんまり大丈夫じゃないけど)」
「もうすぐ日も沈むと思うので…」
「はい」

そして運ばれてきたのがこれだ。
📷出羽桜とつらみ うおー。
これがつらみか。

サラミみたいだな。


で、ではまずは出羽桜から。

ゴクリ。

なにこれウマ…
スッと流れ込んで行った。

こ、これは僕史に残るウマさ。
出羽桜、心に刻まれるほど忘れない酒になった。

そして、つらみは…。
まずは半分に切って、わさびをちょこっと乗せる。
いただきます。

なんじゃこりゃ!?
うっ…うっ…美味すぎる!!!

出会った。出会えた。
なかなか会えないめちゃくちゃうまい料理。

これは…これは…美味すぎる。

はいはい。キタよこれ。

出羽桜飲む!
そして、つらみを食べる!

ちょっとの酒だが、酔いがまわってきて、それがおいしさのスパイスになる。

ダメだ…。
し、幸せすぎる。

ノリじゃない、忖度も建前もない、心からの幸せだという感情。
こんなに幸せを感じたのはいつぶりだろうか。

一人でだってこんなに幸せを感じられるんだ。
これは、僕の人生としても大きな発見だった。

つらみが残り2枚になるころ、僕は本当に幸せの絶頂にいた。
山形にきて本当によかった。
そして、このお店に来て本当によかった。

その幸せは突如として崩れ去った。

スマホの着信が鳴り出した。

僕に電話なんて珍しい。
経験上、突然の電話というのは、大抵はよくない報せだ。
仕事急にでてくれとか、大抵は電話を出た後、気分が沈むことばかりだ。

でも、いちおう出てみた。
「佐川急便ですー。」
「あ、はい。」
「今、荷物をお届けに来てるんですけど。」
(ん?荷物?そんなの頼んだっけか?あ、あれか!)

両親がジャパネットで頼みたい商品を、代わりに僕のスマホで頼んでいたのを思い出した。
確か、18時〜20時くらいの設定で、日にちは指定せず頼んでいた。
2,3日で届くと思っていたら頼んでから全然届かず、もう3週間が過ぎようとしていた。

「えっと…。誰もいないですかね?」
「誰もいないですね。」

配達員の人は、声色から怒っているような感じがした。
申し訳ない。
忙しいなか、いろいろやりくりして配達をしているのに時間指定しといて誰もいないなんて。
「申し訳ありません…。また、再送の手配をさせて頂きます。本当にすみません。」

電話をきったあと、残り2枚のつらみを見つめる。
先ほどまでの幸せすぎる気持ちや光景はどこへ行ってしまったんだ。

考えるな。
もう一度、あの気持ちを取り戻そう。
そもそも、2,3日で届くと思っていたのに3週間もなにも音沙汰もなく、その3週間、いや、いつ届くか分からない荷物が届くその日まで、毎日18時〜20時は必ず家にいなくちゃいけないのだとしたら、無理な話じゃないか。
佐川さんはそんな事情は知るわけもないし。
もうジャパネットを時間指定して代わりに頼むのはやめよう。関わったみんながちょっぴり不幸になる。

あ、だーめだ。
考えちゃってる。

と、いうわけで、もうあの幸せな気分には戻れなかった。

僕の弱さかもしれないが、年に一度あるかないかの幸せすぎるあの瞬間に、あの電話がきたことは運命的であり、恨めしく思ってしまう。
正直、もう少し、気持ちよくなっていたかったな。

その後、追加で頼んだシメのメシがきた。
📷山形牛飯 山形牛のロコモコみたいなメニューだ。

ほろほろになった山形牛がめちゃくちゃウマい。

なんだこの店。
全部ドチャクソウマいじゃないか。
気分は落ちていたが、ウマいことはわかる。

食べ終わって、お会計をしている時、迷ったがこれは伝えなきゃと思った。(何様!?っというのは置いといて笑)
再びコミュ障は勇気を振り絞る。

「全部美味しかったんですけど、つらみがもう最高に美味しすぎました。」
店主は、つらみ誕生の秘話を話してくれた。

店主と話をしていると、だんだんと沈んだ気持ちが晴れてくる。
人と話すって大事だな。
やっぱ、このお店にきてよかった。

帰りもホテルのバスが迎えに来てくれて、運転手さんに食べたものの美味しさを伝えた。
僕の話を楽しそうに聞いてくれて、この人にこの旅で出会えてよかったと思った。

「また蔵王に来なくちゃいけなくなりました。」
そう伝えた。

音茶屋のあのつらみと出羽桜、また食しに来なければならないと思った。
それほどまでに最高すぎた。

ところで、旅から帰って気づいたが、出羽桜(でばざくら)と読んでいたあの酒はでわざくらと読むそうじゃないか。
めっちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。


タカミヤヴィレッジホテル樹林(夜)

宿に帰って自室のある5Fから撮影したマジックアワーだ。
ここまで廻ってだんだんとわかってくる。
蔵王はもう、僕の理想のファンタジーに一番近い場所だ。

部屋に戻って、気持ちリセットのために30分寝ると、沈んだ気持ちがすっかりどこかへいっていた。

さらにファンタジーの世界へ行こう。

星空①

📷星屑の祭壇への道 昼間くつろいだホテルの庭へはこんなファンタジックな階段からも行くことができる。
どうやらBBQは終わっているようだ。

さーて。
ハンモックで星空眺めますか。

と思ったら、ハンモックも椅子も撤去されており、残されたのはハンモックの骨組だけだった。

まあいいや。
だってこんな星空きれいなんだもん。

📷星空 蔵王ってこんな星綺麗なのか。
はぁ。

最高すぎる。
星空って、晴れてても空にもやがかかっているだけで微妙になってしまうのに、旅をした今日に限ってはこんなに綺麗に晴れてやがる。

狙っても晴れないから、あんまり期待してなかったけど、これでもかというほど快晴だ。

星空を撮りたいけど、カメラアウトドアでの持ち運びにかさばる。だから星空が撮れるGoogle Pixel にした。
やっと買ったGoogle Pixelを活かせる時がきたのだ。

すごいなGoogle Pixel。
君にキメてよかったよ。

このあとは、しばらく立ちながら星空を眺めた。
こんな貴重な空間はそうそうない。
山際から漏れる仄かな街明かりは、夜でも、山に囲まれた場所にいることを教えてくれる。
大好きな景色だ。


星空は、夜が更ければ更けるほどに輝きを増す。

また寝る間際に見てみよう。


温泉

さて。
ようやくこの宿の温泉に入ることにした。
この宿には温泉がなんと3箇所もあるのだ。
①やすら木の湯:蔵王温泉らしい硫黄泉のささやかな露天風呂
②かもしか遊びの湯:蔵王温泉らしい硫黄泉のささやかな露天風呂が2つ
③あすなろの湯:地下水を汲み上げた無色透明の人口温泉

①と②は男女入れ替え制なので、20時50分に入れ替わる前に①に入った。

湯船は3人ほどがゆったりと入れる大きさだった。

が、だーれもいないので、貸切状態。

蔵王温泉らしい色のお風呂だ。
強酸性なのに、傷に沁みず、むしろ治すという、魔法のような温泉なのである。
ささくれに優しい。

浸かっていると温泉効果でどんどん熱が蓄積されていくので、そうしたら木造りの床に寝転ぶ。
風が熱を冷ましてくれるのだ。

思わずニヤける。
最高すぎるだろ。


交代時間になって万が一女性が入ってきては困るので、ここらへんで部屋に戻ることに。


そして、昼間に買った地酒で晩酌。

📷雪むかえ うむ。
出羽桜が美味すぎた。
これはこれで美味いが、やはり出羽桜が美味すぎたのだ。


薄暗い部屋で、晩酌をしながら、部屋に入りこむ夜風に当たる。

こんなに最高なんだ。
いい夜すぎる。


そしてもう一つの温泉へ行くことにした。

📷かもしか遊びの湯 かもしかが温泉から見えたからそういう名前がついたらしい。
にしても、この情緒ある雰囲気が伝わるだろうか。

光の加減や暗さ、そして夜風の温度。
ベストマッチすぎる。

蔵王温泉は、白いが、これは湯の花によるものが大きい。
湯の花は、温泉の底に沈殿してしまうので、右にある湯もみでグワングワンとかき混ぜてやるともっと真っ白になる。

お湯はところにより暑いので、湯もみをするとちょうどいい塩梅になるのだ。

かもしか遊びの湯は、奥にもう一つ、同じような大きさの風呂がある。

それも全部、僕のものだ。
本当に、不思議なくらい誰も来ないのだ。

浸かってあったまって、寝て涼んでを繰り返すと、もう体は蕩けてしまいそうになる。


夜の温泉は十分に満喫した。
明日、まだ行っていない③のあすなろの湯に行こう。


星空②

風呂上がりに、それこそ深夜0時ごろにまた星空を見に行った。

すると、20時頃に見た時よりもすごいことになっていたのだ。

疲れちったので、ここでは撮影はしなかったが、心に刻み付ける。

そして、部屋に戻って、寝る前にもう一度窓から見てみた。

これは。
なんという景色だろうか。

📷部屋から望む星の街 街明かりの漏れる山際から、視点を上に送れば、天の川が燦然と輝いているのだ。

蔵王
もう僕の負けだ。

そして、僕の勝ちだ。

最高の日だ。
なんて最高の日なんだ。

思い返せば、今日は予定していなかったことばかりで、その場の僕の選択でやったことばかりだった。
予定していない、下調べをしていないまさかの景色は全て美しくて。
本当に奇跡だ。

ふと、なぜか頭によぎった曲があった。

捕まったが、僕が幼い頃から聞いていて、今の好きな音楽の根源とも言える槇原敬之のカバー曲だ。
このMVの優しい世界観が、この部屋の景色にマッチした。
そして優しい歌詞がたまらなくこの蔵王旅に寄り添う。

もともとYUKIの曲で、これまた僕の好きな中野領太さんの作曲。

勝手に僕の中でこの蔵王旅テーマソングになった。

部屋で、ベッドに寝転び夜風に吹かれながらフルで聞いた。

悲しみが頬を伝い、風向きが変わっていっても、君にしかない力を誇れますように。

まじでいいな。

今日は色々あったけど、本当にいい日だった。
最高の旅だ。

聞き間違いを頭に流しながら、すっと眠りに落ちていったのだった。



蔵王旅山形篇 前編 おわり

まとめ

蔵王温泉は、僕の好きな物がこれでもかと集まった場所だった。

なかなか出会えない、好きな食べ物ランキングの5本指に入る料理にも出会え、地酒もまた好きな地酒ランキングの3本指に入る逸品だった。

明日は、蔵王温泉の顔である大露天風呂や、ロープウェイで行くファンタジー世界のカフェ、そして念願のジンギスカンを食す!

それでは蔵王旅山形篇後編で!
ではでは〜(ᐢ⌔ᐢ)ノ゙

蔵王旅最初の記事はこちら! hatenshiryoaim40.hatenablog.com