📚#4 よるのばけもの(住野よる)
- 作者: 住野よる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2016/12/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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📖お話アウトライン
主人公の少年 安達(あだ名:あっちー)は、夜になると黒い粒でできた化け物に変身してしまう。
なぜだか分からないけど変身してしまうようになった。
化け物になるようになってから、夜 家をとびだして町を出歩くようになる。
宿題を学校に忘れたあっちーは化け物の姿で深夜の教室に忍び込んだ。
誰もいないと思った教室には、クラスでいじめられている少女 矢野さんの姿が。
8つの目や尻尾もある黒い化け物。なぜだか矢野さんは化け物の正体があっちーであることを見抜く。
矢野さんはなんでも、平日毎晩深夜の学校で「夜休み」という時間を過ごしている。
彼女は行動が奇怪でクラスでは頭のおかしい人とされており、
クラスメンバーは矢野さんを敵に回し、いじめることが正義と言うような雰囲気。
主人公は「夜休み」を毎晩矢野さんと過ごすほど、そのクラスの雰囲気に違和感を感じながらも、みんなに合わせるしかない現状にだんだん辛くなってくる。
あっちーはこのクラスの現状にどう向き合うのか。
そして、化け物って本当はなんなのだろう──
という感じです。
📙感想(⚠ネタバレなのでご注意)
いじめという現実的な問題と、化け物になるというファンタジックな設定が並行して物語が進みますが、あくまでいじめ問題が本線で軸になっているなと思いました。
矢野さんは、辛い時でも「にんまり」とおかしな笑顔をします。
どうしていじめられているさなかも、そんなおかしな笑みを浮かべられるのか。
そういう面からも、奇人として扱われる矢野さんですが、主人公は物語の終盤、その笑顔の理由を知ります。
それは、矢野さんが“怖い”時にしてしまう顔。
あっちーは、夜の化け物の姿である自分には、もう矢野さんはにんまりと笑わなくなっていたことに気づいて、もう夜の学校に来てはいけないと思っていました。
このあっちーの感情を読んで、なんでだろうと考えたのですが、
矢野さんから信頼を得ることが怖かったのか?
昼間の人間である自分は酷いことを矢野さんにしているのに、その信頼が邪魔して酷いことをやりづらくなるから?
昼のあっちーも、本当は矢野さんに酷いことをしたくないのですが、みんなに合わせないと、「矢野さん派」と見なされて自分が酷い目に遭いますからね。
その後、お昼のあっちーは矢野さんが保健室の先生に渡そうと思っていたプレゼントを足で踏みつけて壊してしまいます。
その罪悪感から、久しぶりに夜に矢野さんに会いに行き、謝ることにしますが、そこで本当の自分の感情に気づきます。
矢野さんに謝って、にんまりと笑われなかったあっちー。
それでいいはずなのに、それでよかったはずなのに、本当は“にんまりと笑って欲しかった” のかもしれない。
本当は、あやまりに行って許してもらいたかったのではなく、にんまりと笑われて、怖いと思われて、自分を諦めてもらいたい、切り捨ててもらいたいと思っていたことに気づいたのです。
その方がいっそ楽だったから。
あっちーは、最後に、自分のクラスでの立ち位置を選択することになります。
僕は、その選択が嬉しかったです。
ですが、その“嬉しい”というのは、所詮僕があっちーのことをひとごとだと思っているからなのかな? と、少し悲しくなりました。
自分がそのクラスに居たらどう振る舞うのか。
おそらく、なんとかみんなに合わせるも罪悪感で出来ないこともでてきて、ボロが出て、ハブられそうですね。
そんな、中途半端な優しさと意思で転がるように偽善者として堕ちていくなら、どこかのタイミングで結果的に同じハブられるとしても、味方として立ち上がるべきなかなと思いました。
いや〜。難しい問題でした。
とりあえず、強い心と体を作るために筋トレしようかな!💪(笑)
本を通して素敵な世界に行けますように🌠
ではでは〜 (^ー゚)ノ゙
∩📖