それでもやっぱり田舎が好き。

都会で生活してるけど、やっぱり山がみたい川が見たい。喧噪を忘れ、「落ち着き」を求めて。時には旅を。時には本を。

📚#1 猫の客(平出 隆)

■本のブログについて

こんばんは。昨日までなら「読書の秋」というお題があったのですが、読み終わらなかった...。

さて、旅と本の2軸でやろうとしているこのブログですが、「本」の方ではどうしても読書感想文なのでネタバレしてしまうことになりますね...。

 

...ん?読書感想文って、あんなに面倒なものを今は自らやろうとしてるのか(笑) 

めんどくさくならないように、ものすごくライトにやっていきますね。

 

■猫の客

今回は「猫の客」という本を読みました。

 

↓こちらです~

猫の客 (河出文庫 ひ 7-1)

猫の客 (河出文庫 ひ 7-1)

 

 古書店内蔵型喫茶店の古書店の方の経営してる方にお勧めされたので読んでみました。

僕ねこ好きですし、おもしろそうだな、と。

 

ただね、この表紙のイラストは何なんでしょう。猫?

本をくるくる。 だめだ。わからん(笑)

最後まで読めばわかるっしょ!

 

ということで、読んでみました。

 

あらすじ(ネタバレ注意)

作家の主人公とその妻が、なんかでっかい庭とかめっちゃきれいなお宅の離れを借りて暮らしています。その離れの、ある窓からは、外の小路の様子をスクリーンのようにして見ることができ、そこにねこが通ることから物語が始まっていきます。

 

名前をチビというその猫はおとなりの家族が飼っている猫なのですが、こいつがちょこちょこ主人公宅にくるわけです。「猫の客」ですね!主人公たちは、食べ物をあげたり、普通に寝床として利用されるもんですから、すっかりチビを自分の家の猫だと思ってはやはり違うのだと寂しくなったりします。

 

ですが、チビは交通事故で急死してしまうのです。そのチビはお隣のお宅の欅の木の下に眠っているのですが、お隣の奥さんはなんだかんだとお墓参りをさせてくれなかったり。

 

そのうち、主人公たちは、大家さんの都合で(全然押し付けのような都合ではない)その離れを出なくてはならなくなります。ですが、せめてチビの眠っている欅の木が見える場所に住みたい。

 

そんなこんなでチビが軸となって主人公たちの生活を描写していくなかで、バブルが弾けた時代の社会情勢や、季節の移り変わりの様子を美しく表現したお話です。

 

 

感想

ボキャブラリーがカスすぎてあらすじうまく書けなかった(笑)

 

この小説では、猫のしぐさや、反応、行動などがものすごく繊細に丁寧に描かれていました。ですが、可愛すぎてデレるとか、”にゃん♥にゃん♥”って感じではなく、あくまでも文学的で、そこがまた味がありました。ひとことも「にゃー」という単語が出てこなかった気がします。

 

時間の流れや季節の移り変わりが丁寧に繊細に文章で表現されているのを頭の中で画にして読むと、その美しくて少し寂しい世界に入りこむことができて、心が穏やかになりました^^

 

 

チビが欅の木の下で眠りについてから、特に主人公の妻がほかのねこを見るたびに、チビを思い出し、かわいいけど、「なんかちがう」と感じているところがとても切なかったです。

 

愛してやまないぬいぐるみが壊れてしまって、新しいのを買ってもらっても、その子は大好きだったあの子ではない。そんなお話を僕は思い出しました。

 

この小説では春夏秋冬すべて描かれておりますが、僕の中では、特に晩秋や冬の描写が心に残っており、「秋の夜長に読みたい」と思う作品でした。(あー...。お題が変わっていなかった昨日、このブログ書きたかった(>-<))

 

 

ところで、冒頭で話題にあげました、「表紙の絵が何を表現しているのか問題」ですが、読み終えてもわかりませんでした(笑) なんなんだ...。 迷宮入りです。